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東風 第1号(2000年8月)

巻頭言

高校時代、担任の教師が「僕の夢は長生きして21世紀を迎えることだ」と英語の授業の合間に話していたことを思い出す。

まだ若く、当然21世紀を迎えることができると考えていた私は、只、そんなものかなあと聞いていた。

21世紀をあと半年後に迎える現在、既に故人になられた恩師が、夢みていたような輝いた希望に満ちた21世紀を迎えることができるのだろうかと思う。

不況が続き、会社の行く末も分からない。子どもの学校ではいじめが横行しており、ニュースを見れば信じられないような事件が次々に起こる。選挙が終わっても、国民の真意をわからない与党に政治不信も募る一方である。

私達は、これからどうなるのか、世の中一体どこへ行くのか、そんな先行不透明な時代といえる。

しかし、偶々、幸運にも21世紀を迎えることができる私達としては、手を挨いているわけにはいかない。少しでも人間として豊かに生きられる社会を実現するために、学校で職場で地域社会でがんばっている人達に依拠し、手を取りあって生きていきたいと思う。

1年半前に新事務所を開設して、それまでの経験をいかして地域にそして社会に少しでも貢献できる事務所を目指してがんばってきたが、どうしても目前の事件の処理に追われてしまう。新しい世紀、新しい時代を迎える現在、もう一度原点に戻って希望ある未来への道を歩きたいと思う。

そして北九州の小倉東の地から東風に乗せてそんな活動の便りを送れたらいいなと考えて創刊しました。いつまで続くか不安ではあるが、とにかく始めなければ積み重ねもできないのだから。

紙面について

特集
生きている化石カブトガニ
発行
2000年8月
紙面のPDFファイル
東風第1号
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