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東風 第12号 (2006年1月)

巻頭言

昨年夏、筑豊じん肺訴訟の勝利記念旅行に参加させてもらった。トルコ、ギリシャ、エーゲ海の旅であった。今回は、旅行の日記から一部を紹介させていただきます。

トルコのイスタンブールから始まり、首都アンカラ、世界遺産のカッパッドキアなどを経て、エーゲ海クルーズが始まった。深いブルーの海と空に白一色の街並みが強く印象に残った。訪問した島のひとつにロードス島があった。塩野七生の「ロードス島攻防記」の舞台である。ロードス島で「聖ヨハネ騎士団」が設立されて以降、イスラム世界に対してキリスト教世界の最前線に位置するロードス島。コンスタンティノープルを陥落させ、巨大帝国を形成し西進を目指すオスマン・トルコと聖ヨハネ騎士団との壮烈な攻防の舞台であり、古代の遺跡とともに聖ヨハネ騎士団が築いた城壁などが残っている。

そしてパトモス島(「エーゲ海のエルサレム」と称されている)。聖ヨハネが95年布教の罪でトルコを追放され、流された島である。この島で、聖ヨハネは天啓を受け、黙示録を書いたといわれ、「三位一体」を示す三つの裂け目が残っている(聖ヨハネの洞窟)。洞窟とともに世界遺産に指定差されているのが聖ヨハネ修道院である。ギリシアの国旗の青と白が本当に印象的なエーゲ海の小さな島に残るキリスト教徒イスラム教の対立の歴史。パレスチナ問題、湾岸戦争、イラク問題等々、キリスト教徒イスラム教、ふたつの宗教、文明の対立の調整をするのが本当に難しい問題であることが実感できた。そして戦争を放棄し、平和を愛する世界の人々の心を信じて「平和主義」を宣言した日本の役割と地位はもっと大きくならねばならないと思った。

紙面について

特集
地域からたちあがる「9条守ろう」の声
発行
2006年1月
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東風 第12号
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