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東風 第15号(2007年8月)

巻頭言

いわさきちひろさんの今年のカレンダーの7.8月のページ。4本のひまわりの花の向こうに海が広がり、手前の砂浜を赤い水着の女の子を追いかけ子犬が走っている。一緒に泳ぎたくなる風景である。下に、「すみやかな核兵器の廃絶を」の文字。

民主主義は、少数者の尊重、少数意見を認めることにある。今日の少数意見が明日の多数意見になることを認める社会である。だからこそ議論を尽くした後は多数決での決定が許され、その決定に従うことになる。衆議院選挙で、自民党が圧勝した後に発足した安倍内閣は、なにがなんでも憲法を「改正」し、日本を戦争する国、「美しい国」にしようと、教育基本法の改悪をし、イラク特措法を延長した。そして今年の国会では、国民投票法、教育3法案、年金問題など実に2O近い法案の強行採決をした。まさに国会「議事」堂は何処に行ったのかである。数の横暴である。

そして、高校日本史の教科書検定で、沖縄戦の「集団自決」に日本軍の強制があったとする記述を削除し「従軍慰安婦」問題では軍の強制はなかったと強弁し、「有識者会議」で集団自衛権の行使の解釈改憲を提言させた。まさにとどまること知らない暴走振りである。

しかし、このような憲法改悪の動きの強まりのなかで、「本当に憲法9条を変えていいの?」という世論も変わってきた。「集団自決」の件では沖縄県議会と41の全市町村が白紙撤回の決議をした。米国下院で「従軍慰安婦」問題の決議があがった。久間前防衛大臣の「しょうがない」発言は、長崎・広島をはじめ多くの国民の怒りをかつた。9条改悪に反対する国民も着実に増えている。

もう参議院選挙の結果はでていると思います。結果の如何に関わらず、憲法を守り生かしていく運動は続けていかなければなりません。暑い夏、もうひと踏ん張りしましょう。

紙面について

特集
憲法を守る-国民自ら平和憲法を選び取ること
発行
2007年8月
紙面のPDF
東風 第15号
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