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東風 第21号(2010年8月)

巻頭言

今年は、日米安保条約の改定から50年、沖縄返還から38年目の年である。

日本の政治史上初めて選挙による政権交代を実現し、大きな期待の中で出発した鳩山政権は国民の信を失い崩壊した。鳩山政権の唯一の功績は、沖縄普天間基地の移設問題で迷走して、図らずも沖縄の基地問題について国民の関心を呼んだことかもしれない。しかし、6月発足した菅内閣は、沖縄県民はじめ関係者が一致して反対する「日米合意」を守ることを米国に伝えたとのことである。

「昨年(2004年)初夏、憲法9条のために日本国民に呼びかけたのはわずか9人、今年の夏、東京・有明コロシアムで開いた講演会に参加して下さった方はほとんど1万人。呼びかけに賛同して各地につくられた「会」は3000になりました。このことは9条を支持する意思をもちながらその意見を明示する機会を持たなかった人口が、いかに大きかったかを反映しているでしょ。」(「言葉と戦車を見すえて」「再説9条」、加藤周一)わずか9人が呼びかけた憲法9条の支持(「9条の会のアピール」)はマスコミからはほとんど無視された。しかし、アピールが発せられ、全国で「9条の会講演会」が開催されたことで、その呼びかけに答え「その意見を明示する機会を」もった多くの人々の口から「9条を支持する意見が表明されるようになった(同前、解説小森陽一)。

そして、この夏、「9条の会」は7000を超えている。

沖縄の基地も、日米安保条約の要請であるが、その基地からイラクやアフガニスタンへの海兵隊の参戦、自衛隊のイラク派兵は明らかに9条には違反する。

では、どうすればよいのか?加藤氏は、9条を変えるか、安保条約を変えるか、の2つの解決法があると明言する。そして、例えば、安保条約の代わりに非軍事的な日米友好条約を結ぶ、後者の道を選べば、9条は保存され、再生されて、大いに役立つだろう、と言われる。

参議院選挙後も国会では、憲法改悪勢力が多数を占める。それなら我々市民の口から9条の素晴らしさを伝承する活動を引き続き広げていくことが必要である。やりがいのある活動である。

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特集
さあ勝ちに行こう
発行
2010年8月
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東風 第21号
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