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東風 第9号(2004年8月)

巻頭言

日本が世界に誇れるもののひとつが憲法9条だと思う。「『放棄』とは『捨ててしまう』ということです。しかしみなさんはけっして心ぼそくおもうことはありません。日本は正しいことをほかの国よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません」「戦争とまではゆかずとも、国の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。・・・よその国となかよくして、世界中の国が、よい友だちになってくれるようにすれば、日本の国はさかえてゆけるのです。」(1947年文部省発刊、『新しい憲法の話』)憲法前文とあわせて世界の進むべき道を指し示しているからである。

ところが、イラク戦争後自衛隊のイラク派遣、多国籍軍参加の流れのなかで、日本を『戦争に出て行く国』にするために憲法9条の明文改憲の動きが活発になっている。

これらの動きに対して、去る6月10日、井上ひさし、大江健三郎氏ら9名が、「九条の会」を発足させた。いろんな人の憲法への思い、9条を守ろうというさまざま声や運動、それが集まってひとつに重なる場所として。

『九条の会の』アピールは「そして、子どもたちを『戦争をする国』担う者にするため、教育基本法をも変えようとしています。これは、日本国憲法が実現しようとしてきた、武力によらない紛争解決をめざす国の在り方を根本的に転換し、軍事優先の国家に向かう道を歩むものです。私たちは、この転換を許すことが出来ません。」

「憲法9条を持つこの国だからこそ、相手国の立場を尊重した、平和的外交と、経済、文化、科学技術などの面からの協力が出来るのです。私たちは、平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて憲法9条を激動する世界に輝かせたいと考えます。そのためにはこの国の主権者である国民一人ひとりが、9条を持つ日本国憲法を、自分のものとして選び直し日々行使していくことが必要です。それは、国の未来のあり方に対する、主権者の責任です。」

今回の参議院選挙、共産党などの護憲政党の惨敗は残念ですが、平和を希求する多くの国民と憲法を日々の暮らしの中に生かす努力をすることで、展望は開けると思う。

紙面について

特集
海や山 まだ自然が豊かな北九州 北九州市は本当に「環境先進都市」になれるか?
発行
2004年8月
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東風 第9号
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