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東風 第30号(2015年1月)

巻頭言

昨年、沖縄から「新しい沖縄の風」が吹いて来ました。沖縄県知事選挙で、これまでの基地廃止か経済振興かの選択ではなく、政府が「(基地押しつけを)金で済ますのは許さん、沖縄の誇りを掛けて基地のない平和な沖縄を未来に残す」という沖縄県民の気概を示しました。今年この「新しい沖縄の風」が日本全国に吹き渡ることを願わずにいられません。

今年は、第2次世界大戦敗戦後70年、そして日韓国交正常化50年の年です。

安倍首相は、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を唱え、第1次政権以来、憲法の改憲に執念を燃やし、憲法9条改訂のために、改憲手続きを定めた憲法96条を改訂し、発議要件を緩和しようとしました。これは、改憲の賛否を超えて「立憲主義」を破壊するという猛反対にあい挫折しました。一昨年末の靖国参拝も中韓を始めアメリカを含む内外の批判を浴び
安倍内閣は孤立しました。

一昨年の参議院選挙の後には、政府が「安全保障」に関わると判断すれば一方的に「特定秘密」と指定でき、国民の目も口も塞ぐ秘密保護法を強行採決し、昨年12月10日から施行しました。また、国家安全保障会議(日本版NSC)を設置し、国家安全保障戦略を決め、武器輸出3原則を撤廃しました。そして、昨年7月1日、集団的自衛権行使容認の為、政府の憲法解釈の変更を閣議決定で決めたのは、「海外で戦争する国」づくりへの暴走です。

今年は、「平和か戦争か」憲法をめぐるせめぎ合い、そして、原発再稼働、沖縄の米軍基地建設を許すのか否か、今こそ国民の真価が問われる年です。安倍政権の「女性の輝く社会」が触れ込みだった女性の活躍推進法が廃案になりました。

安倍第2次内閣の目玉であった女性閣僚2人が辞任に追い込まれ、推進法の廃案、これでは本気で女性の活躍を考えていたのか疑問になります。

昨年の11月の[立憲デモクラシーの会」主催の「戦争と女性」のテーマの会で浜矩子(同志社大学教授)は「女性は戦争に対する最大の防波堤になりうる」。なぜか。女性は強い。どこにでも移動し、環境に適応し、耐久力もある。強く、ゆとりのある者は他者に対し攻撃的になる必要がない。戦争とは「弱虫の凶暴性」が引き起こすものだ。と喝破されています。人が人を差別するのは、その対象を恐れるから。強い女性が社会を方向付けるようになれば戦争は遠ざかる。その通りです。

未(ひつじ)年は、新しい時代のきっかけが起きる年だそうです。男も頑張ります。

紙面について

特集
4人の弁護士に聞きました 赤・緑・白・黒のイメージは何ですか?
発行
2015年1月
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東風 第30号
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