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東風 第26号(2013年1月)

巻頭言

1963年、今から50年前の2月に、当時の小倉市、門司市、戸畑市、若松市、八幡市の5市が合併して北九州市が誕生しました。人口100万人を擁する全国6番目の政令指定都市の誕生です。1963年は、最高裁で松川事件の被告全員の無罪が確定、アメリカではケネディ大統領暗殺、国産連続アニメの第1号の「鉄腕アトム」の放映開始、歌謡曲は「高校3年生」「見上げてごらん夜の星を」が流行りました。紅白の視聴率は史上最高の81.4%でした。東京オリンピックの前年で、経済は右肩上がり。まだまだ国民は貧乏でしたが、でも筆者を含め大人にも「夢」があったように思います。

北九州市は、4大工業地帯として発展してきましたが、一方で激しい公害が起き、激しい大気汚染、工場の排水で洞海湾は「死の海」となります。しかし、市民のの粘り強い告発と運動が行政を動かします。平成23年に北九州市が国から「環境未来都市」として選定されたことは、市民の運動の成果です。

それから50年、日本は「本格的な高齢者祉会」に入ったと言われています。とりわけ北九州市は高齢化率(総人口に占める65歳以上の高齢者の割合)が高いのです。

高齢者に元気が無いわけではありません。「9条の会」の担い手は60代、70代です。今年の流行語大賞に「イクジイ」(育児をするおじいちゃん)、「終活」(遺産相続や遺言などを生前に準備し、自分らしい人生の最期を前向きに考える)が入っています。

しかし、若荷たちは、失われた10年・20年と言われる経済不況、新自由主義による格差の拡大、ワーキングプァ-の増大など過酷な状態に置かれています。そんな中で政治に対して諦めてしまった若者が確実に増えています。社会が複雑になり、政治も複雑になり、マスコミは問題の本質に触れず政局だけを報道する。政治に対する不信感は増大するはずです。こんな閉塞した時代には、英雄、強いリーダーシップを期待しがちです。とりわけ日本人はそのような感覚が強いように思われます。

しかし、3・11以降新しい運動が日本中で巻き起こっています。普通の市民が、自分の頭で考え、参加し、行動する。総選挙の予想(12月上旬)は自民党の圧勝のようです。しかし総選挙の結果はともかく、今後の日本の進むべき方向を国会議員の数合わせの多数決で決められては困ります。

若者も高齢者も力を合わせてこの国を動かす一人になりましょう。その時の羅針盤は憲法です。

紙面について

特集
「幼保一体化」政策に反対!保育がサービス業となり、保育格差を生む
発行
2013年1月
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東風 第26号
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